むくみって、なに?
長時間、立ち仕事をした後は足が重くなる……、夕方になると足に靴下の痕がつく……。そんな体のむくみを経験したことはありませんか? 医学的には浮腫といわれるむくみは、静脈やリンパ管の流れが滞り、余分な水分が皮下組織(皮膚の下部)に溜まっている状態のこと。その原因は多岐にわたりますが、症状としては、「全身性のむくみ」と「局所性のむくみ」に大別されています。なお、足のむくみは、「局所性のむくみ」に分類され静脈還流障害によって引き起こされると考えられています。
※自分のむくみが「全身性のむくみ」なのか「局所性のむくみ」なのか、またその原因を判断することは難しいです。気になる症状がある場合は、薬局・ドラッグストアで薬剤師に相談するなどセルフメディケーションの実践とともに、医療機関の受診も検討しましょう。足のむくみは、
なぜ起こるの?
「足(ふくらはぎ)は第二の心臓」と呼ばれています。その理由は、動脈の血液が心臓のポンプ作用によって流れるのに対して、静脈の血液は、下肢のふくらはぎの筋肉の収縮によるポンプ作用で、心臓の方向へと流れていくからです。この静脈の血液が心臓に戻る流れを静脈還流といい、この血流が滞ってしまった状態を「静脈還流障害」といいます。心臓から最も遠く、重力の影響を受けやすい下肢の静脈で還流障害が起こりやすいとされています。特に運動不足や、立ったまま、座ったままの姿勢を長時間続けていると、下肢のふくらはぎの筋肉のポンプ作用が働きにくくなり「静脈還流障害」が起こりやすくなります。それにより下肢の静脈の血流が滞り、静脈圧が上昇すると、血管内の水分(血漿)が血管外へ漏出し、皮下組織に余分な水分が溜まって、下肢にむくみが生じてきます。
運動不足や、立ったまま、座ったままの姿勢を長時間続けるなどの生活習慣のほか、肥満、加齢、出産経験、遺伝家族歴、性別(女性)などが、足のむくみを引き起こす要因として、考えられています。
足のむくみによって
起こる症状は?
「静脈還流障害」によって足のむくみが引き起こされると、次のような症状を併発することがあります。こうした症状は、ほとんどの人が一時的な疲れによるものと考えてしまいがちです。しかし、この状態を放置していると静脈瘤や皮膚潰瘍、色素沈着などの疾患があらわれることがあるため、医療機関の受診が必要です。